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オンライン資格確認のMicrosoft Edge拡張機能の仕様変更による影響

Edge拡張機能で実現している機能

ベンダ向けのオンライン資格確認情報提供のサイト「医療機関等ONS」ではアナウンスされているのですが、2024年5月以降にオンライン資格確認で利用しているブラウザ「Edge」の仕様変更があるそうです。これにより、オンライン資格確認のWebアプリケーションに影響があるとのこと。では一体Webアプリケーションで実現している機能って何があるのでしょう。
オンライン資格確認端末をセットアップする際、「ブラウザ拡張プラグイン(OQSFaceApp)」をインストールします。このインストールを実行するとフォルダ「c:¥Program Files¥OQS-Auth¥ext」に以下の3つの拡張プラグインファイルが展開されます。

それぞれの拡張プラグインが、目視確認、顔認証、暗証番号認証を担っているということのようです。

Edge拡張機能の仕様変更による影響

医療機関等ONSによると、このEdge拡張機能の仕様変更により「顔認証付きカードリーダーの目視確認モードによる資格確認が行えなくなる可能性がある」とのこと。対象となるのは「ブラウザ拡張プラグインバージョン2.2.0以前で環境構築した施設」とありますが、このバージョンは2023年8月中まで提供されていましたので、それ以前にオンライン資格確認端末を導入した施設は全て、ざっくり言えば厚労省が導入の期限としていた2023年3月までに導入された施設は全て対象となるということになります。

影響を回避するにはどうしたらよいか

オンライン資格確認端末は「配信アプリケーション」によって随時更新されています。このため、特に問題がなければ既にブラウザ拡張プラグインは2.3.0にバージョンアップされていることでしょう。ただ、ここで問題なのがEdgeの拡張プラグインの更新は「手動で設定が必要」であるということです。つまり、勝手に更新してくれることはなく、このまま放置すれば年明けには目視確認モードでの操作に支障をきたす可能性があるわけです。では、この更新は誰が実施するのでしょうか?医療機関等ONSによれば、「ベンダか利用者か、どちらかが実施」とされていますが、オンライン資格確認端末を導入したベンダはそのようなサポートを実施する契約になっているでしょうか?

Edge拡張機能の更新手順書はどこに

ベンダ向けサイト「医療機関等ONS」では本対処の手順書「ブラウザ拡張機能の更新」が配布されています。最近ようやく医療機関向けのポータルサイトでも配布されたようです。
実際の作業は、OqsFaceAppのバージョンが2.3.0以上かどうかを確認した上で、この条件を満たしていれば拡張機能を削除して、追加するといった簡単な操作です。恐らく5~10分程度の作業と思います。ただし、配信アプリケーションが正常動作していなかった場合などは相応の対処が必要になり、ややハードルが高いように思います。

利用者のコンピュータスキルをどのように想定しているか

医療機関等ONSでは、あたかもこういった作業は利用者側で容易に実施できるだろうという想定で作業内容を提示しますが、そもそもの問題として、医療機関のご担当は医療の専門家であって、コンピュータ操作の専門家ではありません。ブラウザ、エクスプローラ、フォルダ、ファイル、そういったコンピュータに詳しい者にとっては当たり前の用語も必ずしも当たり前ではありません。「それならばベンダが面倒を見れば良い」という議論はあるかもしれませんが、オンライン資格確認の導入においてベンダが必要な費用を見積もっても補助金費用内に収めるよう遠回しにお願いしたのはどこ?なにか困るとベンダに丸投げ、儲かる事業ならばベンダも協力できるのですがいろいろサポートに人手がかかっていて。今回のEdge拡張機能の仕様変更に伴う対応も、なんとなくベンダに作業をさせようという雰囲気がありますね。この事象が公開されてからほぼ2ヶ月経過しましたが、オンライン資格確認端末を導入したお客様から本件に対する問い合わせがいまだにないということは、ベンダにしかこの情報を流していない気がしてなりません。

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