オンライン資格確認で使用する回線

2021年1月31日

オンライン資格確認の回線は2種類

オンライン資格確認で使用する回線は「IP-VPN」と「IPsec+IKE」のいずれかと書かれてはいるものの、とても分かりづらい。

もうちょっとかみ砕いて記載してくれればよいのに、と常々思います。

IP-VPNは閉域網とかいう説明をされてもさっぱり?

簡単に言えば
 IP-VPN ≒ NTTのフレッツ回線で接続
 IPsec+IKE ≒ インターネット経由で接続
といったところでしょうか。

IP-VPN方式は主にNTTが提供

まず、IP-VPNでの接続ですが、こちらのページに接続可能なIP-VPN方式のNTTのフレッツの種類が記載されています。すべてのフレッツで使用できるわけではないことに注意が必要であるとともに「レセプトオンライン請求に使えないものがある」ということにも注意です。いずれにも対応可能な種類はこちらの一覧を見るとよいでしょう。ただし、この一覧は随時更新されるので、リンク先が開かない場合は「オンライン請求 資格確認 回線」のキーワードで検索し、PDFファイルを確認してください。また、具体的な接続方法に関してはオンライン資格確認等システム 接続ガイド IP-VPN接続方式を参照してください。いずれもリンクは現時点での最新版へのリンクですので、古い資料を確認することのないよう、キーワード検索で最新版を見つけてください。(ポータルには最新資料へのリンクが有るはずです)
接続ガイドを拝見しましたが、ベンダにとってもややハードルの高い内容であろうと思います。いままでレセコンを販売していたベンダにとって、LAN環境でのネットワーク知識は有していても、外部接続が得意なベンダは多くはないでしょう。まして、IPv4であればまだしも、IPv6であり、かつ施設ごとに構成の異なる環境に適切な対応を行うことは容易ではなさそうです。ONU配下のルータ、UTMの存在など、様々な不確実な要素が存在します。「うまく接続できない」といったトラブルは、解決までどれほどの時間を要するか予測できないものです。ベンダの担当者も、ネットワークトラブルへの対応力をつけるしかないでしょうか。

IPSec+IKE方式はインターネット経由の接続

また、IPSec+IKEは、今使用中のインターネット接続に「接続機器(VPNルータ)」や「ソフトウェア方式のVPNソフトウェア」を追加することでオンライン資格確認システムに接続します。以下4つの事業者が提供してます。
 ・株式会社NTTPCコミュニケーションズ
 ・株式会社NTTデータ
 ・富士通株式会社
 ・三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
それぞれの事業者ごとに提供する接続方式(ルータ方式、ソフト方式)が異なります。どちらがよいのかは、オンライン資格確認端末と連携するレセコンとの関係がありますので、資格確認端末を提供してくれるベンダ、多くの場合はレセコンの販売店に相談されるのがよいでしょう。
ソフトウェア方式、ルータ方式いずれも1社ずつ試させていただいたのですが、「サイトまでの接続は説明書通りに行えば簡単につながる」という印象でした。VPNの性質上「上位ルータで開放しておかなければならないポート」というのはありますが、以前に比べるとVPN接続が一般化しているためか、初期状態でVPN接続可能なルータが増えているように思います(以前はNTT提供のルータでさえポート開放設定が必要でしたが、今は大体初期状態でVPN接続可能なのではないでしょうか)。

なお、IPSec+IKEは既存のインターネット接続を使用した接続であることから、「インターネット接続が不安定だと、その接続も不安定になる」といえます。普段ホームページの閲覧に使っているだけであれば、不安定であってもさほど影響はないかもしれません。しかし、オンライン資格確認で使用するとなると時々切れてしまったり、あるいはとても遅いといった状況では業務に支障をきたします。IPSec+IKE導入に先立ち、まずはインターネット接続が安定していることを確認しておくとよいでしょう。「じゃあ安定しているってどうやって確認するの?」というと、とても難しい質問ですが、私見ですが「光回線」、「CATV」あたりは安定、「ADSL」は不安定。途中が有線だけならば安定、無線が介在すると不安定。あとは、利用者が、インターネット接続がどのような機器を使用しているか把握されていることが安定の第一条件でしょうか。また、私が過去遭遇したインターネットの不安定要因としては、「驚くほど古い機器によってネットワーク全体の通信が阻害された」、「意図しないルータがコンピュータ機器に勝手にアドレスを振り業務を停止させた」などがありますので、ネットワークに接続されている機器の把握はとても大事です。