オンライン資格確認「集中導入開始宣言」を見て感じたこと

オンライン資格確認「集中導入開始宣言」はこちらから閲覧可能です

かなり以前の話です大変恐縮です。 2021/7/9に オンライン資格確認「集中導入宣言」 が厚生労働省から発信されています。今でもYouTubeで閲覧可能なので、こちらから閲覧ください。

感じたこと・ベンダの立場として

「集中導入宣言」を拝見し、発言の中で「ベンダに連絡を」とか、そういった発言がとても目立ったように感じます。パソコンが品薄だ、ルータも品薄だ、ベンダに連絡して、これがメーカに伝わることであたかもオンライン資格確認用のパソコン、ルータが優先的に回してもらえるような。
実際のところ、ベンダとして「オンライン資格確認端末」だけでなく、日常使いのパソコンも、周辺機器も現在(2021/12現在)品薄であり、いくら「オンライン資格確認を導入のため」とメーカに要請したところでメーカが優先的に回してもらえるようなことはありません。
今現在オンライン資格確認端末がなくても診療そのものは可能である中で、むしろ「電子カルテの端末が足りないのでなんとかしてほしい」という声のほうが私共には緊急性があるように感じます。

だったら顔認証付きカードリーダーと同じように配布してはどうか

だったら、顔認証付きカードリーダーと同じように、オンライン資格確認端末も配布してしまうのはどうか?と考えるのですが、いかがでしょうか。オンライン資格確認端末は、原則的には院内システムとは独立したネットワーク環境に設置し、単独で動作するものです。だとすれば、ソフトウェアの初期セットアップも完了したオンライン資格確認端末を配布してしまえば事足りるのではないかと。機器の入手も、各医療機関、各ベンダに任せるから優先的に回してもらえないのであって、1万台、10万台単位で手配可能な立ち位置にある厚生労働省、支払基金などなどで、一括手配すれば大きな力となってメーカを動かすこともできるのではないでしょうか。

提供してほしい機器はこちら

提供してほしい機器はこちら。
●顔認証付きカードリーダー(すでに無償提供される機器です)
●オンライン資格確認端末
ノートパソコン、超小型パソコンのいずれかを選択可能に
●ルータ
院内システムとオンライン資格確認端末の橋渡しをするルータ。院内システムからオン資端末の共有フォルダを参照するだけの機能が必要と割り切れば、既存の安価なルータのファームウェア変更の上、10万台手配すればメーカーにもメリットが有るのではないでしょうか。
●オンライン資格確認ネットワークに接続可能なLTE装置
Fletsを使ったIPv6接続設定が結構手間、かつ困難。だったらVPN接続ソフトを提供するオンライン資格確認端末に組み込み、LTE経由でオンライン資格確認ネットワークに接続してしまう。

儲からないIT化業務の専任者を配備するのはどうでしょう

オンライン資格確認の導入に関しては、医療機関から補助金内でおさめるようにという要請が非常に強く、実際「儲からない」部類の作業になります。今後、電子処方箋への対応などますますIT化に向けて医療機関が取り組まなければならない課題が増える一方です。このような中、ITに詳しい専門家を抱えることができる病院や、ITにお詳しいスタッフがいる診療所は良いのですが、ITが本業ではない中お困りになっている施設は多いのではないでしょうか。
たとえオンライン資格確認導入のサポート窓口を設けていただいても、実際に施設のIT事情、今一体どのような状態であるかを電話で説明するのは到底無理なことです。例えば地域ごとに施設のIT化業務のよろず相談可能な専任者を配備し、サポート窓口やベンダとの橋渡しをしてくれると、一段とオンライン資格確認の導入も加速がつくのではないかと感じます。